中国、韓国、ドイツはエポキシ樹脂の主要な輸出国であり、2023–2024年の世界輸出額の60%以上を占めています。主要な輸入国には米国、ベトナム、タイが含まれ、電子機器および複合材料製造における需要がその背景にあります。東南アジア諸国の輸入量は2022年以降着実に増加しており、アジアの主要生産国からの供給逼迫に伴い、エポキシ樹脂の価格には緩やかな上昇圧力がかかっています。
Epoxy Resin コモディティ市場動向レポート(最新日付時点)
I. 価格動向
- 基準価格:2026年5月25日現在、エポキシ樹脂のベンチマーク価格は1メトリックトンあたり人民元16,233.33元であり、月初めの水準(人民元17,466.67元/トン)から7.06%下落し、さらに5月中旬の水準(人民元16,933.33元/トン)からも低下している。
- 最近の変動性:2026年5月8日から5月25日の間、価格は人民元16,233.33~17,066.67元/トンの範囲で変動し、全体として下降トレンドを示している。
II. 市場の駆動要因
1. 上流原料への影響:
- ビスフェノールA(BPA)価格は2026年3月に人民元11,000元/トンを上回り、前年同月比で35%以上上昇したが、需要低迷により最近はやや後退しており、エポキシ樹脂へのコスト支援が弱まっている。
- エピクロロヒドリンの供給は設備能力削減の影響で引き続き逼迫しており、週間価格上昇率は6%に達しているが、最近の価格変動はやや落ち着きを見せている。
2. 供給・需要動態:
- 供給面:グローバルにおける高品位エポキシ樹脂の生産能力は極めて集中しており、環境規制遵守に伴う生産制限および欧州での生産設備撤退と相まって、新規設備の本格稼働は依然として遅れており、スポット市場における調達難が続いている。
- 需要面:AIサーバー、半導体パッケージング、風力タービンブレードなど新興セクターからの需要増加は顕著であるが、従来の用途(塗料・インフラなど)の回復は鈍く、全体としての需要成長率は供給側の圧力を十分に吸収できていない。
3. 政策・地政学的要因:
- 中東情勢の緊迫化により原油価格が変動し、化学バリューチェーン全体のコストが間接的に上昇したが、最近の原油価格の下落によりこの圧力は一部緩和されている。
- 米国は中国製エポキシ樹脂輸出に対し高額の逆輸入課税(アンチダンピング関税および相殺関税)を課しており、輸出コストを大幅に押し上げ、グローバルサプライチェーン再編を加速させている。
III. セグメント別市場動向
1. 電子級エポキシ樹脂:
- 半導体パッケージング需要の堅調な伸びにより価格は支えられている。高品位製品(例:低誘電率・超高純度等級)では需給ギャップが30~35%に達しており、一部メーカーでは納期が最長6か月にまで延びている。
- 国内代替が技術的ブレイクスルーを背景に加速しているが、依然として高品位製品の輸入依存度は高い。
2. 風力タービンブレード用エポキシ樹脂:
- グローバルの風力タービンブレード向けエポキシ樹脂市場は2032年までに24.8億米ドルに達すると予測されており、中国が58%超を占め、その成長の主要な牽引役となっている。
- 海上風力発電市場の拡大に伴い、耐食性および疲労強度を向上させた高性能タイプへの需要が急増している。
3. 塗料用途:
- 環境規制の強化を背景に、水性エポキシ樹脂塗料の市場シェアが拡大中であり、産業用防食塗料および建築塗料分野での需要は安定して増加している。
IV. 競争構造
1. 主要企業:
- 国際企業:ダウ(旧DOWSIL/ダウ・ケミカル社)、ヘクソン(ウェストレイク・ケミカル社による買収済み)、オリオン・コーポレーションなどがグローバル高品位市場を支配している。
- 国内企業:ホンチャン・エレクトロニクス、シェンクアン・グループ、東莞電気材料科技(DEMT)は、技術革新および生産能力拡張を通じて電子級および風力発電用セグメントにおいて実績を上げており、市場シェアを着実に拡大している。
2. 中小企業(SMEs):
- 低品位・コモディティ級用途に集中しており、均質化した激しい競争、上流原料価格の上昇、および厳格化する環境規制遵守のプレッシャーに直面し、利益率が縮小している。
V. 分析および見通し
1. 短期見通し:
- 価格動向:上流原料価格の変動性が落ち着きを見せ、近時において構造的な供給・需要不均衡が継続する中、エポキシ樹脂価格は高水準での横ばい推移が予想されるが、さらなる下方調整の可能性も残る。
- 需要構造:AIサーバー、半導体、風力エネルギーなどの高品位応用分野における需要は引き続き堅調に増加している一方、従来分野は僅かな回復にとどまり、市場のセグメンテーションが一層進んでいる。
2. 中長期的傾向:
- グリーン・ローカーボン転換:バイオベースエポキシ樹脂および再利用可能なシステムが主要な研究開発重点分野となりつつある。水性および溶剤不使用系の普及が加速し、VOC(揮発性有機化合物)低減ソリューションへと市場が舵を切っている。
- 高品位化:耐熱性、高絶縁性、低吸湿性など優れた特性を備えた特殊エポキシ樹脂に対する需要が急速に拡大しており、コア技術を掌握する企業に競争上の優位性が与えられている。
- 国内代替の深化:国内企業による電子級および風力発電用セグメントでの技術進展により、輸入代替率は継続的に上昇している。グローバルサプライチェーンの再編は新たな戦略的機会を提供している。
3. リスクおよび課題:
- 上流原料価格の変動性:BPAおよびエピクロロヒドリン価格は国際原油価格および地政学的動向に依然として敏感であり、コスト転嫁圧力が持続している。
- 環境規制遵守コスト:より厳しい環境政策により、企業のガバナンスおよび運用コストが増加しており、中小企業にとっては存続を左右する課題となっている。
- 国際貿易摩擦:米国の継続的な逆輸入課税(アンチダンピング関税および相殺関税)は、輸出競争力を制約し続けており、加速するグローバルサプライチェーン再編には地理的・顧客層の多様化戦略が不可欠である。
エポキシ樹脂(CAS 61788-97-4)は、室温で粘稠なアンバーから茶褐色の液体または半固体であり、通常無臭・非揮発性で、オリゴマー・高分子混合物であるため明確な融点や沸点を有しません。これは多官能性芳香族エポキシ化合物に分類され、フェノール・ホルマリンノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとの反応により合成されます。主に熱硬化性ポリマー系における反応性中間体として用いられ、優れた耐熱性、耐薬品性および機械的強度を要求される高性能エポキシ配合物の主要な構成成分です。主な用途は特殊コーティング、電気絶縁積層板(例:プリント配線板)、航空宇宙用複合材料および構造用接着剤であり、これらの分野では高い架橋密度および難燃性が極めて重要な性能要件となります。
この化学物質は基礎化学品-フェノール・ケトンに含まれています。エポキシ樹脂とは何か、およびエポキシ樹脂のSDS情報について詳しくご覧ください。
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